この患者さんへの鍼灸治療で症状が比較的よく改善されたのでご紹介したいと思います。
患者さんは、35歳の既婚女性で仕事は事務仕事をしています。現在、夫との二人暮らしで子供はいません。
5年ぐらい前から夫婦間のトラブルと仕事場でのストレスで体調を崩して、3年ぐらい前から心療内科を受診しました

病名は『鬱病』と診断され、月に2度のカウンセリングと内服の薬を処方されました。
その治療を2年数か月続けましたが体調の変化はなく、効果としては以前よりは1時間ぐらい眠れるぐらいということでした。
症状としては、食欲不振、不眠、肩こり、身体の冷え、情緒不安定、無気力、などの症状があり、リストカットも数回ということでした。また、就業も体調不労のため、休みがちでした。そんな生活を送っていました。

今までの治療ではなかなか良くならなく、不安がつのり、再度リストカットをしてしまったときに親友に相談したそうです。するとその友人が「東洋医学の鍼灸治療を受けてみては

現在、治療は始めて半年になりますが、少ずつ症状は改善されてきています。
治療としては各症状に対する治療と自律神経を安定させる治療で、特に脳をリラックスさせてセロトニンの分泌を促進させるツボにお灸をしています。
徐々に症状が変化していくので、治療の度によく患者さんの話に耳を傾けて、傾聴しながらツボの取穴を丁寧に行いました。
現在、週に1度の鍼灸治療を継続していますが、すべての症状の7割ぐらいが改善されましたので、仕事も休まなくてよくなり何とか出社できているようになりました。
この患者さんとの会話の中では、以前のストレスの原因は除去されていませんが、睡眠、食欲がでてきて、体力がついてきたお蔭で心も強くなってきたようです。
このように鍼灸治療は”気”の流れを整え、本人が持つ自然治癒力を引き出すことができるエコロジーな治療ということができるでしょう。また、精神面の治療にも期待できる医療だと考えられます。
以前、同じような患者さんで苦い経験をしたことがあるので、話を傾聴するときは、聞くことに徹する。下手な勇気づけをしないよう注意してカウンセリングをするように心がけました。
これからもこの患者さんの症状が、より一層改善されるようによい治療を心がけたいと思っています

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